リクウズルームのマネジメントを担当しています。
メンバーと会議をした結果、みんなに順番にブログを書くことになりました。私は嫌でしたが、なんか最初に書くことになりました。ふわっとした内容で、面白いか分かりませんが、お付き合い頂けると嬉しいです。よろしくおねがいします。
第1回目なので、私とリクウズルームの関わりについて書いてみます。
もともと私は、3歳から20年ほどクラシック音楽の勉強をしていました。音大卒業後、国際共同制作作品を上演する行政関係のお仕事をしていたとき、佐々木透にナンパ(!)されたのが、演劇制作をやるきっかけでした。
自分は演劇の制作である、と自覚するようになって2年くらい経ちます。未だにわからない部分も沢山ありつつ、手探りでやっています。リクウズルームは劇団ではなく、佐々木さんのプロジェクトなので、彼がその時やりたい事を、いかに、そしてより効果的な形で実現させるのが私の役目と思っています。(と、同時に私が目指している事を実現出来れば、と考えていますが、これについては後ほどお話ししたいと思います)
(↑2015年、初めて手がけた作品『Artistic Realization〜飛び発つ貴方にさよならが言えなくて〜』。
急遽佐々木さんに引っ張り出され、ピアノを演奏しました。)
この作品をやる事になった時、友人たちにいっぱい宣伝したのですが、なかなか興味を持ってもらえませんでした。
いつも言われるのは「映画は1800円なのに、なぜあなたの演劇公演は3000円もするのか。」
言葉に詰まります。作品にかかる製作費を客席数で割ると、これでも足りないくらいだし、映画とは鑑賞するお客さんの数が違うから…というのは、こちらの言い訳。
クラシック音楽の友人は「いつか演劇を見てみたいとは思ってるんだよね…」と決まって言います。名盤と呼ばれるCDをアマゾンで入手でき、大巨匠の音楽をヘタしたら無料のYoutubeでも楽しめる時代。書き下ろし初演で、まだ誰も見た事がない、面白いかどうか保証のない実験作品に3000円払うのは、ためらわれたのでしょう。
ちなみに、この作品を見た友人の一人は”いつパフォーマンスが始まるのかな、と思いながら見てたら終わった”という感想を述べました。ナチュラルな空気の中で芝居が始まる、というのがピンと来なかったようです。「価値観」の壁は大きいです。
また、展覧会しかり。2000円前後の金額を払えば企画展に入場でき、作品のみならず美術館・博物館そのものの素晴らしい建築を楽しむことができる。街を歩けば、無料で入れるギャラリーもよく目にします。
こんな環境の中、お客さんにどうやって。”演劇作品を見る”という選択肢をチョイスしてもらうのか。
2年間、私は頭を悩ませて来ました。[つづく]